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二十 イスラエルのエジプト出発
モーゼとアーロンはエジプトに着きました。二人はそろって王の前に出て、「イスラエルの神は、『私の民をエジプトから去らせよ』と言っておられます」と神さまのみことばどおり、恐れ気もなく言いました。王は怒って、「わが声に従えというその神とは、いったい何ものか?私はそんな神は知らないし、イスラエル人も出さない」と言い、前よりもいっそうひどくイスラエルを苦しめました。
すると神さまは、モーゼとアーロンを使って、エジプトの上につぎつぎと、大きな災いをくだされました。けれども頑固なエジプト王は、なかなか心を動かしません。とうとう最後に、神さまはモーゼに、つぎのように命ぜられました。
「この月の十四日の夕方になったら、イスラエル人の家庭の主人は、家ごとに一頭の小羊を殺し、その肉を食べて、その血を入り口の柱に塗っておきなさい。その夜、私はエジプトじゅうのうい子をみな殺しにするが、血の塗られた柱の所は過ぎ越す。」
モーゼはこのみことばをイスラエル全部に伝え、民はみな、神さまのお言いつけどおりにしました。
いよいよ十四日になりました。真夜中、神さまの使いはエジプトを通り過ぎて、国じゅうのうい子を、残らず殺してしまいました。こうしてエジプトには死人の出ない家は一軒もなく、国じゅうに大きな嘆きの声があがりました。さすがの王もこれには負け、すぐにモーゼとアーロンとを呼び出し、「早く民をつれてエジプトを去ってくれ」と願いました。そこでイスラエルは、自分たちの家畜や持ちものを全部とりまとめ、モーゼにひきいられてエジプトを出発しました。
このときからイスラエル人は、神さまに導かれてエジプトを出たことを記念して、毎年さかんな過ぎ越しの祝いを行うようになりました。そして祝日の前の晩には、この時のようにして、過ぎ越しの小羊を食べました。
一 天主の第二戒 「なんじ、主なる天主の名をみだりに呼ぶなかれ。」神さまのみ名を出すときは、慎しまねばなりません。
二 主祷文に、「み名の尊まれんことを」とあります。
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